本当に「転売」で儲ける時代は終わったのか?

ネット時代だった数年前、「転売・せどり」が稼げるネットビジネスとして流行していました。

ですが、転売規制がかなり厳しくなった今はすっかり稼げなくなり、人気もなくなりました。

果たしてこれから、これらを始めようとしている人は本当に稼ぐことができないのでしょうか。

「転売・せどり」、以前は副業の主流だった

ネットショップ

そもそも「転売・せどり」を知らない方もいると思いますが、これらは簡単に言うと、品物を安く仕入れて高く売ることです。

最低限のルールを守っていれば、商売として問題ないのですが、「転売屋」という言葉があるように、世間は転売などに関して「違法」「悪質」という印象を持ち、その行為自体をなくそうとしています。

海外を通した独自ルートから商品を買って活動している方もいますが、今から始めようとすると非常に難しいと思います。

稼げなくなった最大の理由

古物商許可証

稼げなくなった理由は様々ありますが、以下に挙げる内容が最大の理由かと思います。

チケット転売の違法化

「チケットを転売すること」、これは一番稼ぎやすい方法でした。

購入したチケットを定価以上で転売することで、その差額が自分の利益となる仕組みです。

人気のアーティストやアイドルのライブチケットとなると、欲しくても買えなかった人が利用するので、定価の10倍以上の価格で転売されることもありました。

しかし、「転売されたチケットを運営側が把握し、入れないようにする」など転売対策が強化してきたことにより、その存在は数少なくなってきました。

また、2019年には「チケット不正転売禁止法」が施行され、転売すること自体が法律違反になってしまいました。

しかし、このチケットの転売、すべてがすべて悪いわけではありません。

最初から転売目的で大量購入したり、定価より高額で販売しているのがよろしくないだけで、「急に行けなくなったので定価で売ろう」というのは、違法になりません。

このチケットの転売に関して、2017年にチケット転売サービス「チケットキャンプ」の経営陣が逮捕される事件が起きました。

サイトとしては非常に有名だったのですが、「運営側が一部の業者に優遇して取引手数料を渡していた」こと、また「そこで転売をしていた業者も、転売目的でチケットを大量購入していたこと」が発覚しました。

そもそも、どんなチケットでも、転売で利益を得ようとして、購入したところとは別の場所で販売した場合は「古物法違反」に該当します。

ネットオークションなどで転売されているのをよく見かけますが、最悪逮捕されかねません。利益目的でチケットを転売するのは絶対にやめましょう。

また、先ほども少し触れましたが、運営側が転売されたチケットを把握していることもあり、転売対策としてチケットに記名されている名前と、使用する人が同じかを会場で確認することも増えてきました。

もしそういった場所で転売されたチケットを使用すると、チケット自体が無効になり、会場にすら入ることができません。

トラブルがつきもの

トラブル

チケット転売には必ず取っていいほどトラブルはつきものです。

主に転売サイトを使って取引を行うことが多いですが、顔が見えない分「行くつもりだったけれど急遽いけなくなってしまったチケット」を売っている人と、「転売目的で」チケットを売っている人を見分けるのは難しいです。

もし「転売目的で」売っているのが分かった場合、サイト上で悪評を付けられたり運営側に通報されてしまいます。

また、最近では転売サイトを使うことなく、Twitterで個人的に転売している人も数多くいます。

ニュースなどでも「お金を支払った後に連絡が取れなくなった」と聞くかと思いますが、Twitterだとそれまでのやりとりが、お互いのアカウントを通してでしかできないので相手にアカウントを閉鎖されてしまうと連絡が取れなくなってしまい、泣き寝入りするしかなくなってしまいます。

転売されたチケットで会場へ入ろうとすると、そのチケットは無効となりその場合の負担は、転売したほうにはなく、購入者にしかありません。

これは10代や20代の若い女性の被害が多く、好きなアーティストに会いたいという気持ちを踏みにじる行為となります。

チケット転売規制が厳しいとして有名なのがジャニーズ事務所です。転売目的でチケットを出品した人へ「チケット規約に違反したものとして、ファンクラブの会員資格を1年間停止する」という対応を取っています。

今まで説明してきた通り、チケット転売をしていいことは何一つありませんので、副業としてはおすすめしません。

もし「転売屋」を見つけたら

違法摘発

サイトやTwitterなどで、転売目的でチケットを販売している人を見かけたら、イベントの運営側に事前に通報することができます。

転売商品が載っているURLや商品名、もし可能であれば出品者の氏名(もしくはアカウント名)などが分かっていると、運営側も探しやすいと思います。

また、1人で大量に出品している場合はほとんどが転売目的かと思われますので、都道府県別の警察署、サイバー犯罪対策課のホームページなどから通報できます。

また、メルカリなどのフリマアプリであれば出品している人のページから、他の人が「この人はチケットを転売しています」と運営へ通報ができるようになっています。そうするとメルカリ側へ連絡が行き必要な対応を取ってくれるようです。

フリマアプリの対応策

フリマアプリ

スマホがあれば誰でも簡単に売買が成立するフリマアプリは転売屋にも人気です。

特に「メルカリ」は転売目的でチケットを売る人には重宝されていたサイトでした。

ですが、メルカリにも「出品禁止」の品物が増え、もちろんその中にチケット類が含まれています。

参考までに他にどんなものが出品禁止なのかというと、

出品禁止商品例
  • 違法CD、DVDなど・偽ブランド品・芸能人の無断使用した写真やサイン
  • 化粧品のテスター・花火、ガソリンなどの危険物・医療品、危険ドラッグ   
  • たばこ・児童ポルノ作品をはじめとした大人向け作品
  • 生ものなどの食品・農薬や肥料・元気をはじめとしたチケット類・ゲームのアカウントやデータ・個人情報・領収書・代行業・福袋 など

これはほんの一部で、本当はもっとたくさんあります。

最近ではコロナウイルスの影響でマスクの転売が話題になり、メルカリでもマスクの転売が新たに禁止になりました。

高額転売されているものから規制がかかることが多く、メルカリのほかにヤフオクや楽天など大手オークションサイトの転売対策は年々厳しくなっています。

再び注目を浴びているものの

情報

今まで企業が行っていた「安く仕入れた商品を高額で売ることで儲けを得る」「需要が出そうな商品をまとめて発注し、安い仕入れ値にする」という手法を個人で行うことで、副業としても利益を生んでいた転売ですが、世間からは転売に対して冷たい風が当たり続けています。

ですがブログやYouTubeで「稼ぐコツ」を紹介する人が現れたことにより再び注目を浴びています。

そういったものは「もっと稼ぐ方法を教えます」とうたう有料サロンへの勧誘がほとんどで、会費を徴収し、収入が減った転売屋が「転売のノウハウ」を教えています。

会費はいくらかわかりませんが、転売の知識を得てもこちらにメリットになることはないので、会費を払うだけ無駄だと思います。

これからも、転売の規制はおそらく厳しくなる一方だと思います。

もし、転売をしようと思っている人がいたら、もっと違う方法で副業収入を得ることを強くおすすめします。