FXで副収入は可能? FXが会社員にブームの訳とは

現在の企業ではほとんどが社則で「副業禁止」になっています。しかし、いろいろな方法で、副収入を得ている方は多いのです。資産運用の一環として、FXを周囲の方が利用しているのを耳にし、興味を持たれた方もいるでしょう。

ここでは、副業的にFXを利用したいと考えている方の為に、会社員としてFXを活用する上で、有利な点と不利な点についてご案内します。

FXをデータで検証 利益はあるの?

お金を貯める

FXには興味があるけれど、実際に副収入になるほど稼げるの?と心配な方も多いでしょう。

それでは、金融先物取引業協会が2018年4月に実施した調査結果から、その「実態」を見てみましょう。

FXによる去年の利益(損失額)

利益

  • 20万円未満:35.6%
  • 20万円以上~50万円未満:10.1%
  • 50万円以上~100万円未満:7.1%
  • 100万円以上:7.5%

損失

  • 20万円未満:28.9%
  • 20万円以上~50万円未満:5.9%
  • 50万円以上~100万円未満:2.2%
  • 100万円以上:3.2%

*【参考】「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」(一般社団法人金融先物取引業協会)

上記では、年間の利益が20万未満の方が最も多く、全体を見ても損失よりも利益の方が多いという結果になっています。

調査結果を年代別に調べた結果、20代~40代の働き盛りの男性では、2061.5%3066.4%4062.6%の人が利益があったと回答しています。

逆に、20代:38.5%、30代:33.6%、40代:37.4%が、損失が発生したという回答です。

上記の調査からでは、以外なほど利益が上がっている方が多いのですが、金額的には年間20万未満の方が多く、おこづかい程度の「副収入」を得ていると言えるのではないでしょうか。

FXという商品の性質上、100%の利益が約束されているわけではありません。むしろ、損失が上回る可能性も高く、毎月の生活を支えるだけの安定した収入の柱とするには難しい面があります。

そのため、もし手元にいくらか金銭的なゆとりがあれば、それを元に「増えたら儲けもの」程度の気持ちで気軽に始めれば、会社員の方の「副業」にできる可能性はあります。

FXを運用しているサラリーマンの比率は?

それでは、もう少し詳しく調査結果を見ていきましょう。

下記は、FXを利用している年代と性別です。

FXをやっている人の年代と性別

20代:男性10.4% 女性2.0%

30代:男性26.8% 女性6.2%

40代:男性22.2% 女性6.5%

50代:男性6.6% 女性4.0%

60代:男性:8.7% 女性4.3%

70代:男性:1.6% 女性0.7% 

男女別でみると、男性が76.3%8割近くを占めています。また、年代で特筆すべきは、実に30代が26.8%、そして40代が22.2%といわゆる「サラリーマン」として油の乗っている世代が、5割強という結果に。

この結果から見ると、普段は外に出て働いている「サラリーマン」が、実は圧倒的にFXを利用している事が伺えます。

FXの取引経験はどの位?

下のグラフはFXの取引経験年数です。

20代にFXを始めたと想定した場合、確実に年数が伸びていき「働き盛り」と呼ばれる30代~50代では、5年以上の「ベテラン」が5割を超えています。

また、FXを運用するにあたり、どの世代でも投資金額の平均は、「20万円未満」が最多です。「100万円以上」を投資に回していると答えたのは、30代が最多で、それでも11.6%と、それほど多くはないという結果が出ています。

FXは副業とみなされる?

副業禁止の会社員にとって、FXが副業に該当するかしないかは気になるところ。

実は、FXや株式投資等の「投資」は、副業とみなされる事はありません。「資産運用」として、解釈されるのです。ですから、一般的には企業の就業規則となっている「副業禁止」に反しているという事にはならないため、安心して取り組めます。

けれど、就業中にパソコンやスマホでFXを運用する事は、多くの会社で禁止でしょうから、社内では控えるようにしましょう。

FXで投資している事を会社に知られたくない

ご自分が投資をしている事を会社に知られたくないという方は多いのではないでしょうか。

会社に給与以外の収入があるとわかるのは、確定申告をしなければならない時です。もし、FXで得た利益が、年額で20万未満なら、確定申告の必要もありませんので、特段何もする必要はありません。

ですが、20万以上になったら、確定申告をする必要があります。確定申告をしたことにより、住民税にその分が加算、会社に通知されますので、経理部門の知るところとなります。

どうしても会社に知られたくない場合、住民税を「給与からの天引き」ではなく、確定申告を行う際住民税を自分で納付するよう手続きを行えば、会社に知られる事もありません。

FXの口座を開設する時には、身分証明になる書類と同時に、マイナンバーのコピーを提出する必要があります。「マイナンバーを提出したら、会社にわかってしまうのでは?」と、ためらう方もいるかもしれません。

ですが、口座開設をしても、FXを扱う証券会社等から会社に確認の連絡がいくといった事は一切ありませんので、心配無用です。

サラリーマンこそFXをするべき?

さまざまな投資商品の中で、実はサラリーマンに適しているのがFXと言われています。

サラリーマンが副業として、FXを運用する場合の魅力と、リスク(危険性)について見ていきましょう。

FXの魅力

副業をすると言っても、退社してからの数時間や、休みの時にしか時間が取れない会社員にとって、FXは実はとても魅力的な収入源です。ここから、順を追ってご案内します。

小資金でも取引可能

FX取引の特徴として、小資金取引可能なレバレッジ(てこの原理)という仕組みがあります。

レバレッジとは、用意してある資金の最大で25倍まで、一時的にFX会社から借用し、取引を行う仕組みです。借用と言っても利子が着く事などはありませんので、ご安心下さい。

なお、FXでは、最低取引量というものが決まっています。基本的な最低取引量はどのFX会社でも、1万通貨です。日本国内で仮にドル・円を取引する場合、最低でも約4万円ほどの保証金が必要になります。

しかし、FXの初心者向けに、「ミニFX取引」を提供するFX会社も増えています。ミニFX取引では、最低取引量が以前の10分の1、つまり1000通貨からになる為、これまでの10分の1の資金で取引を始めることができます。

それでは「ミニFX取引」を利用した例を見てみましょう。(日本円と米ドルの通貨ペア、1ドル=100円と仮定します)

通常、1,000ドル分のポジション(外貨の持ち高)を保有する場合、10万円が必要ですが、

25倍の最大レバレッジを利用すれば、必要な資金は4,000円あればいいという事です。

この状況で、1ドルが100円→101円へ変動した時は1,000円の利益になり、逆に100円から99円に変動した時には1,000円の損失が出るという結果になります。

取り引きの時間を選ばない

FXは一日24時間、土日を除き週5日間動き続ける市場です。いつも世界中のどこかの市場で為替取引が行われ、相場は常に変動しています。

この中でも三大市場と呼ばれているのがニューヨーク、ロンドン、そして東京です。時差の関係で、概ねロンドン・ニューヨーク市場が活発な動きを見せるのは、日本時間では21時から24時の間です。参加する人数も多いため、比較的値動きも落ち着いているので、取引がしやすいとも言われています。

この特徴がFXの大きな魅力にもなっていて、平日の日中は本業があるサラリーマンでも取引が可能です。また、副業として考えた場合、自由な時間の選択、確保できるのは大きな強みです。

経済や金融問題に詳しくなる

FXのマーケットは、全世界にあります。そのため、特に活発な取引が行われているアメリカ、ヨーロッパ、日本の政治・経済の動向が、通貨の変動に影響を及ぼします。

FXの運用を続けて利益を出すためには、世界経済や政治の動向を知るという勉強は欠かせないため、自ずと経済や世界情勢にも詳しくなりますので、本業に役立つ時もあるかもしえません。

また、金融商品を扱う事で、お金の知識を持ち、それをうまく活用する能力を高められる可能性もあります。

FX取引のリスク

FXは、サラリーマンの副業として、魅力のある商品である事をこれまで説明してきました。けれど、お金を扱う商品である以上、リスクはつきものです。

大きな損失が伴う時もある

FXはあくまで投資です。他の投資に比べ、少額で始められるというメリットはありますが、どんな投資にも100%はないのです。

FXでは、レバリッジを利用し、最大25倍の資金を運用する事が可能です。例えば、手元の資金が100万円あるとします。

取引をスタートし、1ドル100円→101円に変動すれば、25万円のプラスになりますが、99円に変動すると、25万円のマイナスになります。そうなると、はじめに用意した100万円の内、手元に残るのは、単純計算で75万円と、25万円の損失となってしまいます。

たまたま相場が乱高下している状況では、投資した資金をすべて失うという結果になってしまう時もあるのです。

あくまでFXは投資という事を忘れず、副業として収入を目指すように無難な取引を心掛けたいものです。

サラリーマンが休みの時、市場も動かない

残念な事に、一般的にサラリーマンが休日になる土日は外国為替市場も休みになります。

そのため、休日にじっくりと取引をしようと思っても不可能です。土日は、これまでの取引を振り返り、FX取引を「勉強」する時間にあててもよさそうですね。