「写経」をする事で、コピーライティングが上達するか否かという問題は、肯定派と否定派の間で議論が尽くされています。
今回は否定派の見解と、写経で効果をあげやすい分野について説明します。
写経がコピーライティングには不要な理由
写経がコピーライティングの勉強において、効果をあげられるという意見も存在しますが、そもそも写経とはどういった事を表しているのでしょうか?
コピーライティングの写経とは
写経は、仏教に由来する言葉で、ありがたい経典をそのまま書き写す事です。
本来の目的は、信仰や祈願、供養のためとされてきましたが、現代においては集中力を養い、淡々とした繰り返しで精神の安定を目的に取り組む人も増加しています。
コピーライティングにおける「写経」とは、他者の書いたすぐれたコピーライティングを、一字一句たがえずにそのまま「書き写す」という意味です。
書き写していく事で、体がオリジナルの文体をいつのまにか覚え、その意図するところも明確になるため、スキルアップできるという方法論です。
コピーライティングが上達するコツは
コピーライティングの基礎知識がある事は大前提ですが、その上で人気のセールスレターをしっかりと分析し、自身の言葉に置き換え、違う視点を取り入れて、書いてみる。
こうして、どんどん書いていくことが売れるコピーライティング上達の近道です。
セールスレターの写経は時間のムダ?
コピーライティングの上達を図る上で、写経は時間のムダと言われるのには、いくつかの理由があります。
オリジナルの質が判断できない
写経の「お手本」として、売れている商品のセールスレターを使えとよく言われますが、コピーライティングの基礎を理解していないと、オリジナルの文章の良否の判断ができません。
「人気商品の紹介文=良質なセールスレター」とは一概には言えず、企業の集客力やイメージ戦略、アフィリエイターによる広告効果等、「売れている」理由は「セールスレターが優れている」だけとは言い切れないのです。
単に「売れている」だけで、オリジナルの題材を選んでも、必ずしも「いいお手本」とは限らないでしょう。
セールスレターを分析するスキル
セールスレターはいくつものパーツにわかれており、ヘッドコピーが特に重要といわれています。さらにストーリーを1ページのどの部分に入れ込むかや、商品価格の見せ方まで、良質なセールスレターは、緻密な計算をに基づいて作られています。
また、セールスレターを作成する方法では、「QUEST」「PASONA」等と呼ばれる型があり、コピーライティングでは通常その型通りに作成していきます。
そのようなセールスレター作成者の意図を理解して分析できればいいのですが、分析するためには一定以上の知識が必要になります。
この「方法論」を全く知らずに、「売れるセールスレター」だけをシャニムに写経していても、そこから得るものはわずかで、時間のムダと言えるのではないでしょうか。
セールスレターを書き上げるバックグラウンド
優れたセールスレターを書きあげるためには、商品のターゲットを意識した、徹底的なリサーチが必要です。
文章構成や、使用される言葉も、ターゲットに最適なものがセレクトされます。
この「売れるためのセールスレターを書く」ためのバックグラウンドは、単にセールスレターを写経するだけでは、見えてきません。
オリジナルの劣化版を量産
セールスレターの優劣がいかんなく発揮される商品の一種に「情報商材」があります。
この情報商材のセールスレターが、ほぼ同じような文体になっていた時期があります。
オリジナルは、常日頃では使用しないようなインパクトのある言葉をガンガン多用し、反社会的とも言える内容でした。
ところが、このセールスレターで商材が激売れしたために「コピー記事」が大量発生したのです。
残念ながら、後追いでは思ったような成約も上がらずに、思わず苦笑するような、おかしなものまで出る始末でした。
オリジナルの劣化版が量産されたようなものです。
写経でセールスレターを勉強しようとすると、極端に言えば上記と同じ危険性があります。
文章の構成や意味を理解せず、文章の「マネ」をしているだけですから、ことさら初心者が方オリジナルのセールスレターより「進化」したものを作成できる可能性は極めて低いと言えるでしょう。
膨大な時間がかかる
写経には時間がかかる、その事は大きなデメリットです。
写経というのは、オリジナルの何万文字もの文章を、一字一句違えずに書き写す作業ですので、かなりの時間を要します。
それだけの手間暇をかけられるのなら、その時間を使い、始めにコピーライティングのノウハウの基礎を習得しましょう。
その後、上記でも解説したように、「定型」にそって、まずはどんどんセールスレターを書いていく事で、「売れるセールスレター」を書くスキルが格段にアップしていくでしょう。
写経をするメリットとは
コピーライティングで「やってはいけない」方法の一つに、写経がある事をここまで説明しました。
しかし、単純に文章力を上達させるには、実は写経は非常に効果がある方法とも言われています。
写経で身に付くものとは
オリジナルの記事が優れた文章である事が前提なのは言うまでもないのですが、その記事をそっくりそのまま「写経」する事で、文章力が格段にアップするケースもあります。
ブログや書籍で自分の好きな文章を見つけて写経をする事で、オリジナルの文章の「構成」や「読者への伝え方」が身についてきます。
数をこなしてけば、「文章の流れ」のいい、読者にわかりやすい記事を書くスキルがアップします。
写経で目指せるのは、あらゆる文章の「ライティングスキル」であって、コピーライティング上達の目的と一致するものではないという事です。
写経をオススメするタイプ
なんらかの形で、ライティングにかかわる事になったが「ライティングが得意とは言えない」、あるいは「自分が書く文章がパっとしない、読んでみてつまらない」と感じる方は、一度写経をしてみてはいかがでしょう。
写経のお手本は、自分が読んで「好きな文章」や「よみやすく、わかりやすい」と思う文章をインターネットや書籍から集めてきます。
読んでいて気分がよく、抵抗感がない記事を写経する事で、自分自身が新しい記事を書く時にも、読み手にわかりやすい構成と、説得力のある文章を書けるスキルが身に付くことが期待できます。
最後に
今回はコピーライティングと写経について解説しました。
これからコピーライティングに関わる方は、是非参考にして下さい!